【書評】学びを結果に変えるアウトプット大全

ビジネス書

今回ご紹介する書籍は「学びを結果に変えるアウトプット大全」です。

  • 情報収集しただけで、後で思い返すと何も覚えていない……。
  • 人にうまく伝えたいのに、話すのが苦手。
  • 考えていることを資料にまとめられない。まとめられても莫大な時間がかかる

そんな経験はございませんか?

私は何度もあります……。例えば、読書。読書ノートを書いてみたり、Todoに入れてみて実践することを試みたりしてアウトプットできるよう試行錯誤しました。

ですが、結果は実践できず。新しい本を読み始めたり、違うことを始めてしまったりと散々な結果となりました。

今回ご紹介する「学びを結果に変えるアウトプット大全」を読むことで、インプットした情報をどのようにアウトプットすべきかについて体系的に理解し、実践できるようになります。

本の概要

「書く」「行動する」「話す」の3つの切り口から、アウトプット方法をなんと約80個紹介されているます。

そのため自分の得意分野から挑戦することが可能、アウトプットのトレーニング方法までご丁寧に紹介してくださっています……!

具体的なアクションプラン3つ

アウトプット方法の中でも、私が気になった3つの方法をご紹介します。「社会人」の目線から活用できるものを抜粋したため、ぜひご活用ください。

アウトプット型の社会人になって仕事をするには?

受け身のノートは卒業、能動的であれ

会議の時や、企画を立てる時に複数のノートでバラバラにメモしていないでしょうか?

言われたことは一言一句逃さないよう、ノートに釘付けとなって板書はされていませんか?

「板書」は不要。
「気付き」や「TODO」だけを書き留めよう。

樺沢紫苑著「学びを結果に変えるアウトプット大全」

著者の樺沢紫苑さんは、板書は不要とばっさり切られています(笑)

代わりに「気付き」や「TODO」といった、自身の考え・今後の行動など能動的に考えなければできない点に着目されています。能動的に書くことで学びのスピードが劇的に上がるからです。

また、「見開き2ページに収めること」「全てを1冊のノートにまとめること」も推奨されています。

「見開き2ページに収める」というノート術はあまり聞かないですが、「全てを1冊のノートをまとめること」は他の書籍でも紹介されています。

  • ライダー・キャロル著「バレットジャーナル」
  • デビット・アレン著「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」
  • 奥野宣之著「情報は1冊のノートにまとめなさい」

本書を読んでから丸々板書するのではなく、気付きとTODOを記載しながら全てを一冊のノートにまとめることを実践してみています。

成果としては、タスクの処理漏れが減りアイディアもまとまりやすくなりました。何より情報が散乱していないため、そのノートだけをみれば安心というのが何よりのメリットです。

まだ2ページに収められずメモ魔なので、その点が課題ですね(汗)

とにかく1度完成させてみる

新卒の時によくやりがちでした。

「全てを完璧にしてからじゃないと依頼物を提出できない!」と締め切り間際まで大慌てで取り組んでいたことが……。

第1稿はすばやく仕上げて、
「直し」の時間を確保しよう。

樺沢紫苑著「学びを結果に変えるアウトプット大全」

締め切りギリギリまで時間を使って100点の完成形を目指すのではなく、早い段階に30点を目指して一度完成させることが重要だと著者は述べています。

後輩を持った今だからこそ、わかるようになったことの一つといえます。

  • どこまで仕事進んでいるか?
  • 困っていることはないか?
  • お願いした仕事の完成形に対する認識に相違はないか?

という考えをお持ちの先輩方いらっしゃるのではないでしょうか?
私の場合、言葉にして伝えなかった結果、

上記のことを把握してなかった

わからないまま提出期日となった

タスクの完成形に後輩と認識のずれがあり大幅に修正が必要となった

スケジュール後ろ倒し、締め切り突破する

というサイクルを経験してしまったことがあります。残念ながら、仕事をお願いされる側で同様の失敗を犯したこともあります。

そのような経緯から、依頼をする時には途中でどこまで完成したかを確認しています。依頼を受けたときもざっくり完成させたものを一度提出して意見をもらうようにしており、全部「やりなおしっっっつらいっっ鬱だぁあ」という事態はなんとか避けられています。

本書でも「ざっくり書く時間」と「ブラッシュアップ・直しの時間」の時間配分は5:5にすることでレベルの高いものができると書かれており、いかに途中で見直しが重要かがわかります。

仕事を完璧なものにするべく締め切り間際まで頑張ってらっしゃる方、一度大枠でもいいので人に相談してみてください。

精神的にも生産的にも良くなるのでお勧めします(そして相談できる方が周囲にいらっしゃることを切に願います……)。

柔らかく的確なしゃべり方

仕事をしていると時には言いづらいことを報告しないといけないことがあります。

後輩の教育を担当している人は、どう注意すればいかにショックを与えずに済むか考えたこともあるのではないでしょうか(ちなみに私は注意することもされることも苦手です……)?

著者の樺沢紫苑さんは、3つのクッション話法を活用することでショックを和らげることが可能と主張しています。

まず、ポジティブな情報を伝える。相手のできている点、長所、メリットなどを伝えて、ポジティブな雰囲気を作ってから「悪いニュース」を伝える。

樺沢紫苑著「学びを結果に変えるアウトプット大全」
1.Yes But 話法

先にいいことを伝えることで心理的ダメージを和らげる方法です。

例えば、上司がお願いした仕事に対して部下がクオリティの高いものを完成させたとしてします。しかし丁寧すぎるが故に締め切りに間に合わなかったとしたら?

締め切り守ってもらわないと困るよ〜〜、せっかく仕事の出来はいいのにさ〜

あ、頑張って仕事してもこの人には認めてもらえないんだな。
締め切り守れなかった自分が悪いけどさ。やる気無くすわぁ

締め切りを守れなかったことはよくないですが、言い方一つで今後のモチベーションが変わってくると言えるでしょう。

上記の例は悪いことから先に伝えて、後からいいことを伝えるNot But 話法といいます。

ここでYes But 話法を用いたらいかがでしょうか?

〇〇さん! お願いした仕事すごくいい出来ですね、助かりました!
ただ、次回から締め切りは守ってくださいね

褒めてもらえた! 大変だったけど頑張ってよかったわ。
次からは締め切り守らないと……!

「仕事の成果は良かったこと」と「締め切り厳守でお願いすること」の2つの要素は一緒なのに、話す順番でだいぶ印象が違いますよね。

人からの印象は話し方だけでもだいぶ変わります。気持ちよく仕事ができるように心がけてみてもいいかもしれません。

2.Yes And 話法

よりマイルドにお伝えする方法は、プラスのことを伝えてから「さらにこうしてくれるとより良い」というプラスの表現でお願いすることです。先程の例でいえば下記のようになります。

〇〇さん! お願いした仕事すごくいい出来ですね、助かりました!
さらに締め切りを守っていただると評価も上がるかも!

褒めてもらえた! 大変だったけど頑張ってよかったわ。
締め切りも守って、評価上がるようにがんばるぞ〜〜

思い返してみると、自身も仕事を人にお願いする時によく活用している話法です。

平穏に過ごしたい気持ちが強すぎて目を三角にして注意できない、どうしたものかと以前は悩んでいました。あまり遠回しに伝えても内容が響かない、強く言ってしまいお互い気まずくなりたくないと考えていました。

考えた末に「〜できるといいな」「〜してくれると本当にありがたいです!」という言い方で会話を締めるよう意識するようにしました。その結果、言いづらいこともして欲しいことも抜群に伝えやすくなりました。

部下に怖がられている?と思われている方にはぜひ試していただきたいテクニックです。

3.Yes How 話法

先に紹介した2つとは違って、話しかける側が注意やプラスの表現をするのではなく、相手に問いを投げかける話法になります。

〇〇さん! お願いした仕事すごくいい出来ですね、助かりました!
ただ、この仕事。よりよくするためにはどうすればいいですかね?

褒めてもらえた! 大変だったけど頑張ってよかったわ。
これ以上良くするには……? 締め切りというかスピード感だよなぁ、工夫してみよう!

ノートを書くポイントでも取り上げましたが、「気付き」を持つことはその人の成長につながります。そのため、話しかける側に余裕があるときは相手に考える時間を与えることは重要です。

まとめ

今回は80近くあるアウトプットのノウハウから、「書く」「行動する」「話す」の観点から3つ取り上げました。

書く:ノートは受動的ではなく能動的に取れ

  • 丸写しではなく、気付きやTODOなど自分が思ったことを能動的に書く
  • 見開き2ページくらいがいい
  • ノート1冊にすべてを書く

行動する:とりあえず1度完成させてみる

  • 100点をいきなり目指さない
  • 早めの段階で30点のものを一度完成させる
  • 「ざっくり書く」と「直し・ブラッシュアップ」の時間配分を5:5にしてみる

話す:先にプラスの情報を伝えるが吉

  • Yes But 話法:プラスの情報を伝えてからマイナスの情報を伝える
  • Yes And 話法:プラスの情報を伝えたあとプラスの情報を伝える
  • Yes How 話法:プラスの情報を伝えてから問いを投げかけ、相手に気付きを持ってもらう

今回ご紹介した中で関心が持てなくても、残り70個以上の手法が紹介されています。詳細が気になる方はぜひ本書を読んでみてください。

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